緒 言
 本裁判の最大の争点は、原告側の「被害車は加害車左前方で追突され、その
左前輪で轢過された」、そして被告側の「被害車は縁石に接触し、加害車両の
中央下に滑り込みその左後輪で轢過された」のどちらの主張が真実に近いかを
明らかにする事にある。これまで公選鑑定人 重田氏による法医学鑑定書、原
告そして被告陣営の私選鑑定人 駒沢氏ならびに松下氏による自動車工学鑑定
書が提出され、本裁判も最終局面を迎えることになった。筆者は原告より先日
これら鑑定書に対する意見を求められ検討したが、重田鑑定書そして駒沢鑑定
書はこれら分野に関して素人に近い筆者でも十分よく理解できるものであり、
かつ両者の鑑定結果も「被害車は加害車左前方で追突され、その左前輪で轢過
された」という点でよく一致していた。一方、松下鑑定書の内容には疑問点が
多く、ここに筆者は松下鑑定に対する生化学的見地よりの意見書という形で筆
を執る次第である。


主 文
 自動車工学鑑定は路面状況、被害車両そして加害車両の損傷などから事故様
態を解析していく。だが被告側の松下鑑定人は加害車左前方の多数の傷を本件
によるものではない事を立証もしないで無視しているが、その立証義務は被告
側が当然負うべきものである。何故なら最も証拠性の高い創面の新鮮さに保証
される当初の16日間はひき逃げ犯である被告人によって奪われ、逆に原告
側には旧損を識別する機会も手段もないからである。
そういった意味において
被害者を事故当日に司法解剖しかつ公選鑑定人である重田氏による法医学鑑定
書は、事故直後の被害者に刻み込まれた損傷を基に作成されており非常に信頼
性が高いと思われる。しかし、この鑑定に対しても松下鑑定人は不可解なことを
証人尋問で供述しこれを疑問視している。ここでは、松下鑑定人証人尋問調書
中の特に以下の生活反応に対する彼の発言に対して生物化学的見地から意見さ
せて頂く。尚、ここでは可能な限り専門的用語は使わずにわかりやすい論理で
説明していくつもりである。



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